オガワ タケシ   OGAWA Takeshi
  小川 健
   所属   専修大学  経済学部
   専修大学大学院  経済学研究科
   職種   教授
発表年月日 2018/09/13
発表テーマ 4 件法のアンケート調査における Brunner-Munzel 検定の活用
会議名 2018年統計関連学会連合大会
主催者 統計関連学会連合大会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 単独
国名 日本
開催地名 中央大学(後楽園)
開催期間 2018/09/09~2018/09/13
発表者・共同発表者 小川健
概要 質的な内容におけるアンケート調査の中には 4 件法や 5 件法等、有限の選択肢を利用したアンケート調査も多い。その調査手法は消費者アンケートや世論調査等から、経済学等の大学の講義における FD 項目に至るまで幅広く用いられ、計量・統計に携わる者のみならず理論系の人間でもその質問やアンケート結果に触れた事のない者はいない。そして、これらのアンケート調査等を「こういう傾向が読み取れる」等の形で論文等に活かすときには、数多くの場面でその統計的な処理・活用が求められる。
ところで、4 件法には(意図的に真ん中の選択肢を排除している等)アンケート調査の方法として批判も多く、統計的手法を活用する場合には複数の質問を組み合わせる活用法やリッカート尺度等が中心となる。そのため、1つの質問単体で結果の傾向を、調査の取られた後で少し活用しようとすると、クロス表とχ2乗検定では標本数が少ない場合などを中心に適さない場合も少なくなく、肯定・否定などの 2 段階まで集約した上での独立性の検定や符号検定、あるいは Fisher の正確性検定などが用いられることが多い。しかし 4 件法や 5 件法の場合には、アンケートを書く側として「そう思う」「ややそう思う」などについては戦略的な投票をしない場合でも区別して記載している場合が多く、多くの場合でこの違いを正確に反映できないままの検定にならざるを得ない。そこで本研究では 4 件法でのアンケート調査における小標本の場合を中心に、近年統計の手法として登場し、R でもパッケージの出た Brunner-Munzel 検定を活用することで、単体の質問における肯定的傾向・否定的傾向を出すための応用法について取り上げる。
また、その応用事例として筆者が前任校で経済学系 3 年生に対して行っていた選択講義「コンピュータ経済学 II」におけるフリーソフト「Microsoft Mathematics」の経済学教育における有用性に関する授業アンケート結果の活用を取り上げる。本来、戦略的な投票を行わない中では、全く何の肯定的・否定的な見解を持っていない場合には、中心に近い選択肢に(4 件法では均等に)集まると考えられる。こうした対照群を設定することで、Brunner-Munzel 検定の活用が可能になる。この手法は 4 件法・5 件法のアンケート全般に適用可能となる。
researchmap用URL http://www.jfssa.jp/taikai/2018/table/program_detail/pdf/51-100/J10057.pdf