オガワ タケシ   OGAWA Takeshi
  小川 健
   所属   専修大学  経済学部
   専修大学大学院  経済学研究科
   職種   教授
発表年月日 2019/09/29
発表テーマ 教材開発: マクドゥーガル=ケンプ・モデルでBrexitと仏EU残留を説明する~伝統モデルを教育で使う意義~
会議名 日本国際経済学会 第78回全国大会
主催者 日本国際経済学会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 単独
国名 日本
開催地名 日本貿易振興機構アジア経済研究所(IDE-JETRO)
開催期間 2019/09/28~2019/09/29
発表者・共同発表者 小川健
概要 何故同じような移民流入に直面して、同じように移民政策・対 EU 政策が焦点にも関わらず、2016 年UK 国民投票と 2017 年フランス大統領選(決選投票)で異なる判断が出たのか、学部生の国際経済の講義でも理解可能な枠組みを提示することは教育上大事な点と言える。しかし、従来フランスの大統領選等は大統領選が2人の決選投票制であるため、極右等が残ったら避ける傾向等で説明されていたことが多く、それでは対立候補のいた旧国民戦線が本当に極右か等、その政党の立ち位置に対する疑問が付いた場合の説明に難があった。主要争点に着目した説明も従来は個別具体性が強く、今後や類似の事案に対する類推性に繋がらなかった。
そこで本報告では何故 2016 年 UK 国民投票と 2017 年フランス大統領選(決選投票)で異なる判断が出たのか、前提の違いを利用して同じマクドゥーガル=ケンプ・モデルを利用して学部生に理解可能な枠組みを提示し、以てモデル分析の重要性を伝えると共に、今後や類似の事案に対する類推性を提供する。そのためのマークシート型の数値計算問題も作成し、それを含めた小テストを実行した結果についても合わせて報告する。
国民投票直前の UK では移民の純流入数が過去でも例のない位の高い水準になったことと、労働者の賃金下落率が過去でも例のない位になっていることが報道されていた。そのため移民受入国で移民代替的な労働者は移民まで含めて雇用されるまでに賃金率が下がり、移民受入が世界的には効率的でも労働者の取り分は下がるので、彼らが国民投票で多数を占める場合には移民受入を求める EU からの離脱を選択する。他方、フランスはEU 屈指の農業国であるが、農業は動かない要素である土地に集約的であるため地主側の発言力が強くなるので、来る移民によって地主側の取り分が増える結果、EU 残留を選択する、と説明可能になる。
researchmap用URL https://www.jsie.jp/Annual_Meeting/2019f_IDE-JETRO/prog2.html