カワカミ タカシ   KAWAKAMI Takashi
  川上 隆志
   所属   専修大学  文学部
   専修大学大学院  文学研究科
   職種   教授
発表年月日 2015/07/01
発表テーマ 出版メディアにおける差別表現と表現の自由
会議名 豪州日本学会会議2015
主催者 豪州日本学会
学会区分 国際学会
概要 概要
パリのシャルリー・エブド襲撃テロ事件やイスラム国でのジャーナリスト殺害、あるいはヘイトスピーチの横行やマスメディアでの差別表現の頻発といった事件を受け、日本のメディアでは表現の自由に関わる議論が深刻に展開している。こうした状況を踏まえて、出版メディアにおける差別表現の問題点を、岩波書店での長年にわたる編集者経験を通じて報告する。日本の代表的な出版社の一つであり、知識人の支持も強い岩波書店は、平和と民主主義と並んで差別の根絶を社是に掲げているが、その岩波書店でも、『世界』や岩波新書などで差別表現事件を過去に起こしている。それらの事例を改めて検証し、差別表現の問題点を具体的に剔出する。重要な論点は、差別とは何かを踏まえ、差別語と差別表現の違い、差別表現とヘイトスピーチの違いをきちんと認識すること、その上で表現の自由を議論することである。日本における代表的な差別問題には、部落差別と在日韓国朝鮮人差別があり、それぞれ差別表現とヘイトスピーチにおいて必ず対象となる差別である。差別表現の問題点を探ることを通じて、日本における差別の克服への道をさぐる。