タニモリ マサユキ
TANIMORI Masayuki
谷守 正行 所属 専修大学 商学部 専修大学大学院 商学研究科 職種 教授 |
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発表年月日 | 2024/08/31 |
発表テーマ | AIを用いた見積原価計算の効果と適用可能性 |
会議名 | 日本原価計算研究学会 第50回記念大会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
開催期間 | 2024/08/30~2024/09/01 |
概要 | 本報告は,人工知能(AI)技術を用いた見積原価計算の効果とその活用の可能性の研究成果である。国内の企業とりわけ中小企業では,実際原価計算や標準原価計算は時間と労力を要し,ヒューマンエラーのリスクも伴うことから導入が進んでいるとは言えない状況である。
従来,岡本清(1961)では,見積原価計算は実際原価計算や標準原価計算に比べると負荷が大きくないので,アメリカでは第一次大戦後の不況期に見直され再登場したとされる。さらに,石塚博司(1964)は当時から,見積原価計算にもう一度光をあてることで,中小企業の要員不足,組織制度の未整備問題,費用負担などの課題が解決されて原価計算が導入できるようになるのではないかと述べている。しかし,当時は見積原価計算は非科学的手法であり,すでに登場していた実際原価計算や標準原価計算の方がよいと考えられて,国内では見積原価計算は忘れ去られてしまったと述べられている。 このように,伝統的に中小企業では見積原価計算が適していると言われてきたが,非科学的という課題のために,実際原価計算や標準原価計算が実施できない企業では原価計算自体行われなくなってしまった。しかし,最近のDX技術のとくにAIを適用することで,経験や勘を取り込んだうえで科学的手法で見積る(estimated)原価計算に進化させることができる。それが実現すれば,国内の99%以上を占める中小企業のほとんどにそのAI見積原価計算が容易に適用できるようになるのではないだろうか。 そこで,本研究の方法論としては,最初に先行研究から従来の見積原価計算の効果や課題を整理する文献研究を基に,企業内の大量の実務データをAIにより原価を推定する見積原価計算モデルを作成し検証する実証分析の方法を採用する。 ・岡本清(1961)「米国における前駆的見積原価計算―その生成,発展および衰退」『ビジネスレビュー』9(2). ・石塚博司(1964)「見積原価計算の再認識」」『早稲田商学』174. |