ツネキ ケンタロウ   TSUNEKI Kentaro
  恒木 健太郎
   所属   専修大学  経済学部
   専修大学大学院  経済学研究科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2013/03
形態種別 未選択
標題 『「思想」としての大塚史学―戦後啓蒙と日本現代史』
執筆形態 単著
掲載誌名 新泉社
巻・号・頁 1-440頁
総ページ数 440
概要 「戦後啓蒙」の代表格とされる大塚久雄の「史学」を支える根幹は、「他所者」としての前期的資本(近代以前的な暴利をむさぼる商業資本・高利貸資本)に対する批判であった。彼はマルクスとヴェーバーに拠りつつ、前近代の流通・金融の空間を共同体の保護がない社会的真空地帯として捉えた。そして、野放図な利益追求のためなら殺戳も行われうるこの無法地帯の「他所者」たちの中から前期的資本がうまれてくるとして、その廃絶のために中小生産者中心の局地的市場圏の形成の必要を説いた。このような大塚史学の考え方は、日本経済の「二重構造」を批判している点で「進歩的」側面があった一方、マルクスとヴェーバーの強引な読解を通じて生産優位主義を経済倫理のドグマにまでたかめたため、ナチズムの「反ユダヤ主義」やその独裁傾向を的確に批判できなかった。それでも大塚は地震の生産優位主義の問題に気づき、そこに潜む「非合理性」の問題を指摘するに至った。グローバル化と右傾化が進行する現在、大塚の視座は批判的に継承さるべき内容をもっている。