ハセガワ サトシ
HASEGAWA Satoshi
長谷川 聡 所属 専修大学 法学部 専修大学大学院 法学研究科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2012/12 |
形態種別 | 速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要) |
標題 | イギリスにおける平等義務の展開と課題 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 法学新報 |
巻・号・頁 | 119(5・6),561-585頁 |
総ページ数 | 561 |
概要 | 本稿は、日本において差別の問題構造の変化に対応可能な実効性確保制度を構築する際の素材を得ることを目的として、イギリスの差別禁止の実効性確保制度、特に公的機関等に対して差別是正に向けた積極的取組を義務づける「平等義務(Equality Duty)」を分析したものである。まず平等義務の成立過程を概観し、個人訴訟を通じた個別的・受動的な差別是正では、構造的要因から生じる差別に対応しきれないとの認識を背景に制定され、積極的差別是正を一定範囲において原則化した点で同国の差別禁止法の展開におけるマイルストーンであることが確認される。そして、その後の運用過程において、形式的に制度や手続を設けるのみ等、義務の履行が十分になされなくなる傾向が生じ、2010年平等法によってより差別是正という結果を重視する仕組みに改正されたこと、依然平等の実現を「考慮する」ことに義務づけの程度がとどまる点や、許容される積極的差別是正措置の内容決定等に課題が残ることが指摘される。 |