シガ ミワコ
SHIGA Miwako
志賀 美和子 所属 専修大学 文学部 専修大学大学院 文学研究科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 1998/10 |
形態種別 | 研究論文(学術雑誌) |
査読 | 査読あり |
標題 | 1925年マドラス・ヒンドゥー寄進法の性格-「政教分離」理念の分析を手がかりに |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 日本南アジア学会 『南アジア研究』 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | (10),92-115頁 |
概要 | 「政教分離」の多様性と意義に関する歴史的考察の一部をなす。イギリスは少人数でのインド支配を可能にするために、在地文化を「尊重」する姿勢を示し、「宗教への不干渉」政策を採用した。その結果、植民地政府が伝統的王権を模して維持してきたヒンドゥー寺院との関係も断絶した。しかし南インドでは、イスラーム支配が短くヒンドゥー王権と寺院との互恵関係が強かったこと、僧侶や管財人の腐敗防止のため寺院運営監督は政府の義務であるとの世論が強まったことを背景に、マドラス州議会で「政教分離」をめぐる議論の末、ヒンドゥー寄進法が制定された。同法における「政教分離」の特質は、宗教施設に「経済の領域」と「宗教の領域」を設定した上で、政府の役割を「経済の領域」の監督に限定し、「宗教の領域」への不介入をうたったことである。これは、「不可触民」差別などの「宗教的慣習」を政府が改革することを事実上不可能にし、ヒンドゥー社会の差別構造を温存する結果をまねいた。 |