タカク ケンジ   TAKAKU Kenji
  高久 健二
   所属   専修大学  文学部
   専修大学大学院  文学研究科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2004/02
形態種別 研究論文(学術雑誌)
標題 「韓国の倭系遺物-加耶地域出土の倭系遺物を中心に-」
執筆形態 単著
掲載誌名 国立歴史民俗博物館『国立歴史民俗博物館研究報告』
巻・号・頁 (110),367-402頁
総ページ数 36
概要 加耶地域出土倭系遺物の出土様相、分布、時期などについて検討した。まず3世紀後半~4世紀では、大型木槨墓である大成洞13号墳に複数の倭系遺物が副葬されている点から、倭と金海の上位階層との交流を通じて倭系遺物がもたらされたものと推定した。また、南部地域出土の土師器および土師器系土器は、倭の人々が在地の集団とともに一定期間生活していたことを示すものであるが、倭人集団が数世代にわたって長期定住した可能性は低いと考えられ、南部地域の鉄を入手するための短期間の断続的な渡来ではなかったと推定した。また、倭系遺物の分布が南部海岸地域に集中し、内陸部ではほとんど出土していないことからみて、当時の対倭交渉の窓口が南部地域に限定されていたものと推定した。5世紀中葉~6世紀前半になると、前時期に比べて倭系遺物の分布域が拡大するが、これが直接、倭人の行動範囲の拡大を意味するものではなく、倭が加耶と直接交渉する地域は、依然として南部海岸地域に集中していた可能性を指摘した。