ツネキ ケンタロウ   TSUNEKI Kentaro
  恒木 健太郎
   所属   専修大学  経済学部
   専修大学大学院  経済学研究科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2012/03
形態種別 未選択
標題 「ドイツ社会学史における法学の影響―有価証券をめぐる論争を例に」
執筆形態 単著
掲載誌名 ジンメル研究会 『ジンメル研究会会報』
巻・号・頁 (17),12-23頁
総ページ数 12
概要 本論考はドイツ社会学史における法学的有価証券論の影響を辿りながら、その経済理論の発展における意義と問題点について論じたものである。ドイツ社会学で古典的位置を占めるジンメル、ゾンバルト、ヴェーバーの三者の議論を有価証券との関連で検討すると、この三者は近代的有価証券制度の発展要因をその「非人称性」(匿名性)に認め、その論拠を法学文献に求めている。彼らが注目したのは、有価証券取引において人格がもはや問われず、証券という事物の所持だけで債権者となりうる点である。そこで債権者と債務者との関係が切断されて債権者の市場が生まれることを指摘したのがゾンバルトである。債権債務関係を「拘束的結合」とみなす法学の通説を経済学的に解釈し直したゾンバルトの有価証券理解は、ヒルファディングやリーマンの証券経済論に通じる内容をもっているが、それを経済合理主義と評価したことは、ヴェーバーやジンメルがマルクス同様に批判した「物神」の側面を見落としており、その点での経済学批判的補正が必要である。