ハセガワ サトシ   HASEGAWA Satoshi
  長谷川 聡
   所属   専修大学  法学部
   専修大学大学院  法学研究科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2006/09
形態種別 研究論文(学術雑誌)
標題 労働者個人が主体となる内部告発の正当性の判断枠組み
執筆形態 単著
掲載誌名 時の法令
巻・号・頁 (1770),42-49頁
概要 この判例研究は、病院内部の不正診療行為を保健所に通報した医師に対する解雇処分の適法性が争われた医療法人思誠会(富里病院)事件(東京地判平7.11.27判例時報1562号126頁)を、労働者個人が主体となっている点に着目して、その判断枠組みを分析したものである。裏切りから公益保護という内部告発に対する意識の変化や労働組合が企業をチェックする能力の低下などが個人が告発の主体になる背景に存在していること、告発の正当性は公共の利害にかかわる事実を摘示した場合の民事上の名誉毀損に関する判例法理を基礎に、告発内容の真実性、告発の目的(公益性)、告発の手段態様という3つの要素が相互に関連して評価されていること、公益通報者保護法が制定された今日においても、損害賠償等同法が規定していない救済を求める場合にはなお判例法理を活用する必要があること等を指摘している。