ハセガワ サトシ   HASEGAWA Satoshi
  長谷川 聡
   所属   専修大学  法学部
   専修大学大学院  法学研究科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2009/12
形態種別 その他
標題 社会的包摂と差別禁止法
執筆形態 単著
掲載誌名 成文堂(イギリス労働法研究会) イギリス労働法研究会編『イギリス労働法の新展開』
巻・号・頁 297-325頁
総ページ数 29
概要 この論文は、社会的排除とその対応概念である社会的包摂という概念を概観し、この概念が雇用の場における法理、特にこれらの概念と同様に構造的問題を視野に入れる間接差別法理にいかなる影響を与えるのかを検討するものである。結論として、社会的包摂は、差別禁止法の仕組みや解釈を法的に根拠付けないが、差別禁止法と目標を共有し、調和的に理解することのできる概念であり、差別禁止法を構築、解釈するときに必要となる価値基準を提供すること、多様な側面から社会的排除を分析し、撲滅することを目指すという観点は、間接差別法理の機能範囲を拡大するという効果を有する一方、特定の差別理由を発見するツールとしての比較の役割を変化させ、差別概念の拡大をもたらしうる等差別禁止法の再構築を指向すること、社会的包摂は、人権保障の充実という要請とも調和するが、個人的な正義だけでなく社会的な結束や秩序を高めることに価値を置く点で、厳密には解釈の方向性を異にしうること等を指摘する。