オオニシ ナミ・テア
OHNISHI Nami thea
大西 楠・テア 所属 専修大学 法学部 専修大学大学院 法学研究科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2014/03 |
形態種別 | 未選択 |
標題 | 『帝国監督』と公法学における利益法学―トリーペルによる連邦国家の動態的分析(一) |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 有斐閣『法学協会雑誌』 |
巻・号・頁 | 131(3),513-551頁 |
概要 | 1871年に設立されたドイツ帝国は1890年代頃から急速に集権化し、連邦国家としての構造を転換していく。同時期、国法学方法論の上では、帝国憲法の文言と現実の憲法状態の乖離を主題化しする非実証主義国法学台頭する。先行研究においてトリーペルはこうした帝政後期の非実証主義国学と関連づけられて論じられてきたのに対し、本研究は、ドイツ帝国の集権的発展を動態的に記述したトリーペルの理論が利益法学を公法学に応用するものであり、実証主義か非実証主義かという対立軸に単純化できないことを明らかにした。また、トリーペルの動態的国法理論が、国法と政治的諸力の相互作用を考察の対象として連邦国家の動態に切り込みつつも、集権と分権の分析枠組によって、実定憲法の解釈論へと収斂していくことを明らかにした。その内容と意義が知られてこなかったトリーペルの主著『帝国監督』を国法学学説史に位置づけたこと、動態的に発展する連邦国家や連邦類似の超国家的共同体を把握するための理論枠組としてトリーペルの理論を応用する可能性を開いたことが本研究の成果である。 |