ササキ タケシ
SASAKI Takeshi
佐々木 健 所属 専修大学 法学部 専修大学大学院 法学研究科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2010/03 |
形態種別 | 未選択 |
標題 | 「ドイツ法における親子の交流と子の意思-PAS(片親疎外症候群)と子の福祉の観点から-」 |
執筆形態 | その他 |
掲載誌名 | 立命館大学・立命館法学 |
巻・号・頁 | (327・328),347-379頁 |
概要 | 本稿は、近年、精神医学領域において注目されている「PAS(Parental Alienation Syndrome: 片親疎外症候群)」という概念が司法判断に持ち込まれた場合いかなる影響をもちうるか、同概念が生まれたアメリカの議論の他、特にドイツの議論を整理しつつ、「子の意思」と「子の福祉」との関係を再考し、子の福祉に資する円滑な面会交流の在り方について検討を行うものである。このPASとは、別居や離婚紛争において、親の一方が他方に対する誹謗中傷を子に行うことで、それを受けた子が他方の親との関係性につき障害をきたすというものでもあり、これにより子は、監護親との間に強い関係性を築く一方で、非監護親との交流を強く拒絶する。このPAS理論の科学的信頼性等の観点から司法判断に採用することに批判的なアメリカ・ドイツの議論を踏まえ、この理論を日本の司法判断に安易に組み入れることの危険性を示しつつ、子の自由意思の確認の重要性、各機関の協働による適切な交流の実現、親の義務としての面会交流の強調の必要性について論ずる。 |