ナカガワ トシヒロ
NAKAGAWA Toshihiro
中川 敏宏 所属 専修大学 法学部 専修大学大学院 法学研究科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2001/10 |
形態種別 | 研究論文(大学,研究機関等紀要) |
標題 | 契約内容規制の効果と一般予防原理(1) |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 一橋研究 |
巻・号・頁 | 26(2) |
概要 | 近年、わが国では契約内容規制に関して活発な議論が展開され、暴利行為・公序良俗・不当条項規制などをめぐって、議論が深化しつつある。かかる議論の状況のもと、学説上、契約内容規制の要件面での柔軟化が多くの論者より主張され、その一方で、全部無効・絶対的無効という伝統的な無効の理解に対する修正が行われつつある。効果の柔軟化との関連で、一部無効の理論に対する関心が強まっていることもその一つといえる。この点、ドイツでは、一部無効論あるいは約款規制論の文脈において、不当な契約又は約款条項の使用を「予防」するため、あるいはそのような使用に対する「制裁」として、契約又は約款条項の全部無効を承認すべきであるとの見解が有力に主張されている。本稿は、かかる主張を導いたドイツにおける背景的事情にさかのぼりつつ、良俗違反の効果をめぐる議論状況と約款条項の一部無効問題をめぐる議論状況についてそれぞれ考察を加え、契約内容規制の要件面での柔軟化とそれに連動すべき効果面での柔軟化がどのように実現されるべきかを検討するための基礎を求めるものである。 |