タカシマ ヒロユキ
TAKASHIMA Hiroyuki
高島 裕之 所属 専修大学 文学部 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2011/03 |
形態種別 | 研究論文 |
標題 | 「「柿右衛門」と有田・南川原窯」 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 専修大学人文科学研究所『人文科学年報』 |
巻・号・頁 | (41),101-120頁 |
概要 | いわゆる「柿右衛門」はヨーロッパでも各地に伝世している。それらを焼成した佐賀県有田町南川原地区の古窯跡出土陶磁器から,研究者の中でも枠組みの異なる「柿右衛門様式」の製品について整理し,成立の背景について述べた。すなわち17世紀後半に操業していた窯跡は複数あり,併行した操業期の中で製品に共通する変化がみられることから,陶工同士の交流が考えられた。同時に操業していた窯の双方に,同じ陶工集団が焼成室を所有し生産を行ない,海外輸出も含めた多大な需要量に答えていた可能性も想定できる。また色絵,染付製品双方の「柿右衛門様式」の成立からは,高品質製品を製作するための様々な工夫と技術の進展がみられる。それは同品質の製品を厳密な一定の水準に基づいて作るために多用され,洗練されていった技術といえる。高度な色絵磁器が完成したいっぽうで,これらの技術が用いられた染付製品は,我が国の消費地では江戸の大名屋敷の御殿空間での供膳具としてみられ,輸出先のヨーロッパではいわゆるテーブルウェアとして確認できる。逆にいうとこの受容先の趣向の中で,いわゆる「柿右衛門様式」の製品が開発されたと指摘した。 |