コイズミ リョウ   koizumi ryo
  小泉 諒
   所属   専修大学  文学部
   職種   教授
発行・発表の年月 2014
形態種別 MISC
標題 2000年代における東京都心部のマンション供給の空間的パターン
執筆形態 未選択
掲載誌名 日本地理学会発表要旨集
出版社・発行元 公益社団法人 日本地理学会
巻・号・頁 2014,19-19頁
著者・共著者 小泉 諒,川口 太郎
概要 1.問題の背景<br> 1990年代後半以降の東京都心部における人口回復には,大量の住宅供給がその受け皿になったことが指摘されている.住宅需要は世帯のライフサイクルと密接な関係を基本とすることから,住宅の取得には家族的側面の影響が強い.しかし,持家は世帯にとって非常に高額な物件であり,住宅取得への公的な支援が縮小する今日においては,住宅取得に個人や世帯の社会経済的側面の影響が強まっていることが想定される. そこで本研究では,東京都心部における2000年代の住宅供給を分析し,住宅取得を通した,居住地域構造の社会経済的分化の可能性を検討する. &nbsp; <br> 2.研究手法<br> 住宅供給の分析は,マンションの供給を収集している不動産経済研究所『全国マンション市場動向』(2000~2012年版)を資料とする.はじめに首都圏,とくに都区部におけるマンション供給の動向を分析した.続いて,平均専有面積が60平米以上のマンションをファミリータイプと定義し,時期による立地の違いを分析した.分析対象地域は,リーマンショック以降も安定したマンション供給がみられる東京都区部に対応する東京駅20km圏を分析対象地域とした. &nbsp; <br> 3.分析結果<br> 首都圏におけるマンション供給戸数の分析からは,マンション供給のピークは,2008年のリーマンショック以前であったことが示された.これを需要の面である人口動態からみると,2008年のリーマンショックによって東京大都市圏への流入人口が小規模となったことに加え,2010年前後には1970~74年出生を中心とする第二次ベビーブーマーの住宅取得ピークを迎えたと考えられる時期である.しかし,首都圏におけるマンション供給を東京都区部と都区部以外とに分けると,リーマンショックの影響による供給減少は,都区部以外に比べて都区部では軽微であった.そのため,首都圏のマンション供給における都区部のシェアは2009年以降,4割を回復した. 次に,平米単価と平均専有面積の推移をみると,バブル経済崩壊以降は地価下落を背景として,2000年代前半まで平米単価の低下と平均専有面積の拡大傾向がみられた.しかし,2006年以降は景気回復を背景とした用地費や建設費等の増大に対応して平米単価が上昇したが,平均専有面積はほぼ変化しなかった.その結果,一戸当たりの平均価格は非常に高額となった. 続いて,専有面積に注目した立地の分析からは,リーマンショック以降も都区部におけるマンション供給は盛んであり,広い範囲でファミリータイプが供給されていることが示された.しかし平米単価に地価との対応がみられることから,これら住宅供給と取得を通して,社会経済的地位による住み分けが再生産されると考えられる.さらに,低層や超高層といった建築形態の差異によると考えられる価格差もみられ,同じような世帯構造であっても,住宅取得を通した居住地域構造の社会経済的分化が強化されていると考えられる.
DOI 10.14866/ajg.2014a.0_19
NAID 130005481567