オガワ タケシ
OGAWA Takeshi
小川 健 所属 専修大学 経済学部 専修大学大学院 経済学研究科 職種 教授 |
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言語種別 | 英語 |
発行・発表の年月 | 2017/04 |
形態種別 | 学術書 |
標題 | "Analysis of Production-Efficient Patterns of Specialization Allowing Intermediate Inputs: The Meaning of Shiozawa’s Model from the Viewpoint of Modern Economics," in 'A New Construction of Ricardian Theory of International Values Analytical and Historical Approach,' Chapter 4 |
執筆形態 | 分担執筆 |
掲載誌名 | Springer |
巻・号・頁 | pp.123-148 |
総ページ数 | 303 |
著者・共著者 | Chapter 4単著で担当、全体は共著(Yoshinori Shiozawa, Toshihiro Oka, Taichi Tabuchi eds.) |
概要 | 線形経済学を用いた国際貿易論の理論では、考え方の系統は異なるが、モデルの仕様が似ている2つの珍しい分析が存在する。一つは、近代経済学に属するRicardo-Leontiefモデルによる中間財を考慮した(生産)効率的な特化パターンの分析であり、もう一つは、近代経済学の分野には属さないスラッファ・モデルを国際経済に拡張したものである。この2つの分析の違いは、モデル設定において、利潤率が存在するか否かであるが、その意味は大きく異なる。しかし少なくともDeardorff (2005a)の時代には、中間投入を含む比較優位の定義さえ決まっておらず、McKenzie (1954a, b, 1955)やJones (1961) が多数国・多数財リカード・モデルで特化パターンを分析して以来の焦点であった。塩沢(2007)は、進化経済学の面ではスラッファ・モデルを国際的に拡張することでこの課題を進展させたが、近代経済学の面ではそうではない。この課題において、これらの分析が着目する問題解決は、生産効率の良い特化パターンにあるが、二つの問題がある。第一に財の数が国の数より多い場合、効率的な特化パターンは基本的に存在しない。塩沢(2007)はこのケースに着目し、特化パターンを拡張した「分担的特化パターン」を用い、現実経済でのこのケースの重要性を指摘した。第二に、Amano(1966)や池間(1993)で使われてきた価格と特化の図式を用いた東田(2005)のように、中間財を入れたJones(1961)の設定の場合、(生産)効率の良い解のパターンが一意でないことである。Jones(1961)は技術パラメータ間の「生産者割当問題」に着目し、(生産)効率的な特化パターンを決定している。このためにホーキンズ=サイモンの定理の方法を用いており、東田(2005)の結果は、Jones(1961)の方法の単純拡張だけでは、(生産)効率の良い特化のパターンを決定できない。中間投入を認める場合の解を考えると、より扱い辛く等価な概念が無いS行列を用いる必要がある。塩沢(2007)は、財の数が国の数より大きい場合を考慮し、ジョーンズの不等式のような単純で意味のある経済条件が現れない場合、解が存在することを一般的に示している。本章では、塩沢(2007)の進歩の意義を、近代経済学の観点から、歴史的図解との関連で論じる。 |
DOI | 10.1007/978-981-10-0191-8_4 |
ISBN | 978-981-10-0191-1 |
PermalinkURL | https://doi.org/10.1007/978-981-10-0191-8_4 |
researchmap用URL | https://doi.org/10.1007/978-981-10-0191-8_4 |