ハセガワ　サトシ   HASEGAWA Satoshi   長谷川 聡    所属   専修大学  法学部    専修大学大学院  法学研究科    職種   教授
言語種別	日本語
発行・発表の年月	2003/04
形態種別	研究論文（学術雑誌）
標題	機密情報を利用した内部告発の適法性
執筆形態	単著
掲載誌名	労働法律旬報
巻・号・頁	(1550),31-39頁
概要	この判例研究は、自らが勤務する企業の不正疑惑を追及する目的で、顧客の信用情報等の企業の機密情報を用いて議員秘書等に対して内部告発を行ったことを理由とする懲戒処分の適法性が争点となった宮崎信用金庫事件(福岡高裁宮崎支判平14.7.2労働判例833号55頁)を研究したものである。従来の労働者による内部告発の適法性の判断枠組みを検討した上で、同判決が、就業規則の規定を限定解釈することにより懲戒処分事由に該当しないという結論を導いた点でやや特殊ではあるが、機密情報を利用した内部告発であっても正当化されうることを明示した点、内部告発が企業の利益になると初めて指摘した点で意義を有し、民事上の名誉毀損の成否を検討する最高裁判所の判断枠組みを基礎として、内部告発の相当性を判断する上で考慮すべき要素を提示したこと等を指摘している。