フジマキ ルリ
藤巻 るり 所属 専修大学 人間科学部 専修大学大学院 文学研究科 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2016 |
形態種別 | 研究論文(学術雑誌) |
査読 | 査読あり |
標題 | 自閉症スペクトラム障害児とのプレイセラピー—「地べた意識」による原初的な間主観的プロセスへの参入 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 箱庭療法学研究 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 日本箱庭療法学会 |
巻・号・頁 | 29(1),43-54頁 |
著者・共著者 | 藤巻 るり |
概要 | 自閉症スペクトラム障害(ASD)は自他未分化の状態に留まっているため,間主観性の障害や主体のなさが問題とされる。ASDへの心理療法的なアプローチでは自他の分化に関わることが目指される。自他の分化は未分化で連続した状態の中で生じる相互作用(原初的な間主観性)から始まる。ASD児とのプレイセラピーでは,治療者も原初的な意識状態に引き込まれることがある。本研究では,こうした治療者の治療的退行を「地べた意識」と呼ぶ。地べた意識は,治療者自身が自他未分化な世界に参入し,そこで起きていることを自らの意識過程を通して意識化しようとする試みである。地べた意識では治療者は常識的な思考を手放して,述語論理的な思考となる。本研究では,自閉症スペクトラム障害児との地べた意識によるプレイセラピーの事例を提示し,治療者と子どもが場に融け合いつつ出会い,響き合い,次第に差異化してゆく原初的な間主観的プロセスとして考察した。 |