ヒガキ タツヤ   HIGAKI Tatsuya
  檜垣 立哉
   所属   専修大学  文学部
   専修大学大学院  文学研究科
   職種   教授
研究期間 1992~1993
研究課題 存在論と言語論の交錯の諸相-歴史的・体系的考察のこころみ
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 一般研究(B)
研究機関 東京大学
科研費研究課題番号 04451001
研究者・共同研究者 坂部 恵,高橋 克也,桧垣 立哉,高山 守,天野 正幸,松永 澄夫,森 一郎
概要 本年度においては、前年度の研究を承けて、西洋哲学の展開における存在論と言語論の交錯の歴史的考察、とりわけ唯名論的見解と実在論的ないし実念論的見解の対立と相互交渉の展開の諸相の詳細について、一層考察の範囲をひろげ、また深く立ち入ってあきらかにすることにつとめた。また、これまでの研究成果を総括しつつ、言語論と存在論の交錯の諸相について有機的な歴史的展望の確立につとめるとともに、現代哲学の観点から言語論と存在論とのありうべき関係について総合的な体系的展望をひらいた。 各研究分担者に即していえば、(1)天野は、とりわけ、アリストテレスのオルガノンを中心に、その古注釈から現代の英米系の言語論の展開に呼応した研究までをひろく顧慮しつつ考察を進めた。(2)松永は、マールブランシュ、ライプニッツの思想の系譜の展開をメーヌ・ド・ビランから現代フランス哲学にまで下って追跡した。(3)坂部と高橋は、カントを中心にしつつ、その背景をなす17、18世紀の存在論思想を広く研究し、新しい視野の開拓をめざした。(4)高山は、ヘーゲルの系譜を現代の社会哲学や言語哲学の存在論的背景の上にさぐった。(5)桧垣は、メルロ=ポンティに軸をすえながら、言語学その他における構造主義の諸成果をふまえて、存在や主体などの概念の新解釈を行なった。 唯名論的な言語論が、伝統的な存在論にたいしてともすれば親和性を欠く一面をもつのにたいして、実在論的な言語観の伝統があらためて現代哲学の観点から再評価にあたいする諸点を多くもつ所以が、具体的事例に即して歴史的・体系的に解明された。