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イナバ マサル
INABA Masaru
稲葉 大 所属 専修大学 経済学部 職種 教授 |
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| 研究期間 | 2020/04/01~2024/03/31 |
| 研究課題 | マクロ経済の異質性と財政・金融政策の有効性 |
| 実施形態 | 科学研究費補助金 |
| 研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
| 研究種目名 | 基盤研究(B) |
| 研究者・共同研究者 | 稲葉 大,奴田原 健悟,大津 敬介,高橋 修平 |
| 概要 | 本研究では、経済に存在する様々な異質性を考慮した動学的一般均衡モデルに基づき、消費の不確実性や資産格差、マクロ経済変動の要因分析を行い、バブル に対する事前規制、税制・財政・金融政策といった経済政策の有効性を検証することを目的とする。各種の異質性が存在する経済においては、これまでの同質的 な経済における経済政策とはその有効性が異なることが指摘されている。本研究では「家計固有のリスク」・「金融市場の不完全性」・「動学的一般均衡モデル に想定される様々な構造ショック」の三つの異質性に着目している。 2021年度の研究実績としては、Hiraga and Nutahara(2022)、Nakajima and Takahashi(2022)がある。Hiraga and Nutahara(2022)では、消費税率と税収との関係性を示す消費税のラッファー曲線に注目し、ラッファー曲線の形状や税収の最大値が、家計の効用関数の形状や得られた税収の用途によって大きく変更することを発見した。さらに、消費税のラッファー曲線がどのような場合に逆U字型になるかについての分析を行うことで、税制の政策効果を検証した。Nakajima and Takahashi(2022)では、個人固有のリスクに対する市場が非完備の状況において、政府資産と資産収入の関係を定性的・定量的に分析した。このようなケースでは、政府資産の増加は結果的に政府の資産所得をマイナスにまで減少させる。この結果は、政府の資産所得は政府資産に対して比例的に増加する代表的個人モデルとは異なるインプリケーションがある。 |
| PermalinkURL | https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H01505 |