タカベ ユキ
TAKABE Yuki
高部 由季 所属 専修大学 経済学部 職種 講師 |
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研究期間 | 2021/04~2024/03 |
研究課題 | 光を使って生き残るー海のユニークな従属栄養細菌 |
実施形態 | |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究機関 | 東京大学 |
研究者・共同研究者 | 高部 由季 |
概要 | 本研究は、海洋における酸素非発生型好気性光合成細菌(Aerobic anoxygenic phototrophic bacteria, 以下AAnPB)の光利用戦略に焦点を当て、AAnPBが実海洋環境中で光を利用することで「元気に」増殖し、「長く」生き残っていることを実証することを目指している。海洋環境中で普遍的かつ時に高率で存在しているAAnPBの光利用戦略を明らかにすることは、海洋全体の有機物循環量と循環効率を正しく見積もる上での科学的基盤となる。 今年度は、岩手県大槌湾における中規模擬似現場培養実験と、愛媛県愛南町マダイ養殖いけすにおける小規模擬似現場培養実験を予定していた。しかしながら、新型コロナウイルス感染症流行により、長期かつ頻回の出張を伴うそれらの実施が困難となった。そこで、上記培養実験は次年度実施を目指し今年度はその基礎的科学基盤を構築するために、実験予定海域から分離培養したAAnPB分離培養株のゲノム解読、その全ゲノムデータの公開、ゲノム情報を含んだ学術論文の執筆を行い、2報の主著論文として、国際学術誌であるMicrobiology Resource Announcements誌から発表した (Sato-Takabe et al., 2021a;2021b)。本ゲノムデータは、次年度以降の現場培養実験を進める上で、その実験実施予定海域から分離培養したAAnPB株の生理生態学的特性に関する基礎知見として重要である。更に、愛媛県愛南町マダイ養殖いけすから分離したAAnPB培養株については、共同研究者と共にその生理性状試験として、最適増殖条件の検討や細胞内脂肪酸組成分析、キノン分析、基質資化試験を行った。 今年度の研究成果は、次年度以降の現場培養実験の実施および結果の解釈を行う上で、AAnPBの代謝ポテンシャルや生理性状に関して貴重な知見を付与するものである。 |
PermalinkURL | https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K12206 |