ツブク マサフミ
津布久 将史 所属 専修大学 経済学部 専修大学大学院 経済学研究科 職種 准教授 |
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研究期間 | 2017/04/01~2022/03/31 |
研究課題 | 財政競争における部分協調の維持条件に関する理論研究 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 基盤研究(B) |
研究機関 | 東京大学 |
科研費研究課題番号 | 17H02533 |
研究者・共同研究者 | 小川 光,津布久 将史,古村 聖,須佐 大樹,笠松 怜史,家森 信善,内藤 徹 |
概要 | 本年度は、理論研究班において当初計画していた(i)選挙のタイミングのずれといった政治要因、(ii)複数の課税方式の選択、および(iii)動学要素を考慮する方向で発展させた研究を国際雑誌に掲載する実績を残すことができた。特に(iii)の研究については、欧州における部分的な税制の協調を念頭においた内生的成長モデルを構築し、租税競争の発生が財政の維持可能性を高めるか低めるかは、各国の非対称性の度合および政策協調の有無などによって影響を受けることを明らかにした。そこでは、財政の維持可能性を保証する資本税率の下限がモデルをもとに推計され、現実の税率とそれを対比することを通じて、どの国が税率の引き下げ余地が高いかを定量的に明らかにすることに成功した。また、地域金融の研究班では中小企業金融円滑化法の効果、不完全市場班では部分民営化における協調問題、家族内交渉班からは最適課税アプローチおよびグローバル化に伴うジェンダーギャップに関する研究が国際雑誌への論文掲載の実績につながった。また、小川・津布久の協働により、開始した実証研究のパイロット分析も、草稿が完成し、いくつかの学会、研究会において発表する段階にたどり着いた。さらに、租税競争モデルを我が国のふるさと納税制度のもとでの自治体間競争に応用する分析をスタートさせた。寄付に対する還元率を協調して抑制する場合と協調した還元率が設定できない場合において、各自治体の収入がどの程度異なるかの推定を行い、自治体間での協調が必要なことを定量的に明らかにした。 |