ヒガキ タツヤ
HIGAKI Tatsuya
檜垣 立哉 所属 専修大学 文学部 専修大学大学院 文学研究科 職種 教授 |
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研究期間 | 1993~1993 |
研究課題 | 主体性概念の現代的変容に関する基礎的研究-構造主義への哲学的-視角- |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 奨励研究(A) |
研究機関 | 東京大学 |
科研費研究課題番号 | 05710004 |
研究者・共同研究者 | 桧垣 立哉,檜垣 立哉 |
概要 | 本研究は、次の試みを遂行することを目的としていた。すなわち、申請者が従来行ってきた、現象学を中心とした一連の研究の成果を受けながら、更に構造主義的な諸思考に視点を拡張しつつ、構造主義的な思考の立場を検討し直し、個的で行動的なモデルのもとに包括しえない主体性の姿、すなわち根源的に共存という存在形態を採り、関係の編目の一項でありながら、しかしそこにおいて異他的な効果を及ぼしゆく運動体としてこそ、従来とは異なった「創造性」や「自由」を発揮しゆく、そうした主体性のモデルを提示すること、これである。しかしながら、具体的に申請書の段階で計画していた、1)言語学的研究、2)文化人類学的研究、3)精神分析学的研究、の内、今年度は、その1)及び3)に関して、研究の端緒を切り開いたにとどまった。1)に関しては、主にソシュールの言語学の改釈的受容を、言葉を語る主体とは何かという観点からまとめ、語られるものとしての言葉を喧伝する立場(パロールの優位)と、語ることを支配する言葉の力を際だたせる立場(シニフィアンの優位)という、二つの視角の交鎖を描き出そうと試みた。3)に関しては、ラカンが提示した鏡像段階という、独自な仕方で間主体的想像界に篭絡され、一種の成熟を遂げる主体のあり方を、メルロ=ポンティ及びラカンの言説を内在的に辿ることを試みた。申請者は、以上の成果を更に展開するとともに、2)に関しても、とりわけ主体の原初的なレヴェルでの共同性の場所を看取るべく、研究の一層の展開を図りたいと考えている。 |