オクノ マサコ
Masako Okuno
奥野 雅子 所属 石巻専修大学 人間学部 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2016/09/30 |
形態種別 | 論文 |
標題 | 発達障がいを抱える家族への支援プロセスに関する一考察 |
執筆形態 | 未選択 |
掲載誌名 | 現代行動科学誌 |
出版社・発行元 | 現代行動科学会 |
巻・号・頁 | 32(32),20-30頁 |
著者・共著者 | 八重樫大周,奥野雅子 |
概要 | 近年、発達障がいへの支援について、関心が高まってきている。我が国では、平成17(2005)年に発達障害者支援法が施行された後、平成27 (2015)年には就労や学校教育に関する内容を盛り込んだ改正案の検討が行われ始めた。大人の発達障がいへの注目も集まり、支援に関する提案が多数の文献によってなされている。また、DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)が2013年に19年ぶりに改定され、DSM-ⅣからDSM-5への変更により、発達障がいが神経の発達による症状とされたことは、発達障がいをどのように捉えるかが再考された結果であったといえる。発達障がいへの支援については、子どもとその家族lこ対する支援のあり方が注目されている。発達障がいを抱える子どもは、乳幼児期において保護者や周囲からの子育ての困難が示されることが多い。一方、学齢期になると親や周囲だけでなく障がいを抱える本人にとっても多くの困難が示される時期となる。発達障がいを抱える児童・生徒は通常学級に在籍していることが多いため、学校生活に対する適応の難しさに直面している(高橋,2000)。発達障がいは見た目では判断することが難しいため、生活する中で困難が生じても周囲から不適切または不十分な対応を受けることがあり、発達障がい児は不全感や自己肯定感の低下などの二次障害を引き起こしやすい。加えて、それらの不全感や自己肯定感の低下から自傷行為や非行などといった、さらなる不適応的行動が発現するリスクもある。発達障害を抱える子どもへの支援は、まず、その子どもの家族メンバーが担うことになる。発達障がいの診断が難しい乳幼児期から就学前の時期は、子どもは保護者とともに家庭で過ごす時間が多いため、家庭における対応が子どもに大きな影響を及ぼすことになる。また、専門機関や学校からの援助が得られるようになってからも、家族からの支援は発達障がい児・者の成長に欠かせないものであるため、家族は支援の担い手であり続けることが求められる。一方発達障がいを抱える子どもに関わる家族は支援者であるだけではなく、家族メンバー自身が他者からの支援を必要としている。つまり、家族メンバーこそが発達障がいの被支援者として捉える視点が重要である。このように、発達障がいを抱える子どもの家族支援の必要性が着目されるようになった。しかし、このような家族のすべてが、適切な時期に必要とする支援につながっているわけではない。実際、他者からの支援につながることを回避し、困難な状況に陥る家族も存在する。そこで、本稿では、発達障がいに関して障がいを抱える本人やその家族への支援について概観し、支援へのつなぎ方とそのプロセスについて理論的検討を加え、考察を行うことを目的とする。 |
DOI | 10.15113/00014101 |
ISSN | 1341-8599 |
NAID | 120005956003 |
PermalinkURL | http://id.ndl.go.jp/bib/027785528 |
researchmap用URL | http://hdl.handle.net/10140/00014101 |