マツザキ トシユキ
Toshiyuki Matsuzaki
松﨑 俊之 所属 石巻専修大学 人間学部 職種 教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2019/03/15 |
形態種別 | 研究論文(大学,研究機関等紀要) |
標題 | 表象的特性としての知覚的クオリアと美的クオリア―フレーゲ的表象主義にもとづく考察 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 東北芸術工科大学 紀要 |
巻・号・頁 | (26),1-18頁 |
総ページ数 | 18 |
概要 | クオリアをめぐる論争点のひとつにクオリアは表象的特性か否かという点が挙げられるが、本稿では、少なくとも知覚的クオリアと美的クオリアに関しては、両者を表象的特性と見なすクオリア表象主義の立場を採る。今日クオリア表象主義の主流をなすのは「ラッセル的表象主義」であると言えるが、ラッセル的表象主義は、各クオリアが表象する特性を対象に直接的に帰属しうるという点で一定の長所をもつものの、他方で同一のクオリア経験が対象に異なった特性を帰属することになりかねないという深刻な問題を蔵する。こうした問題を回避するためにD. チャーマーズがあらたに提唱するのが「フレーゲ的表象主義」であると言えるが、本稿では、このフレーゲ的表象主義にもとづき表象的特性としての知覚的クオリアと美的クオリアについて考察をおこない、知覚的クオリアの表象内容が「通常の諸条件のもとで大抵の場合当該の知覚的クオリア経験を引き起こす特性」であるのに対し、美的クオリアの表象内容は「経験主体が当該知覚的クオリアをどのように感受しているか、すなわち、経験主体と知覚的クオリアとの間に成立するある特定の関係様態」であることを明らかにする。 |