クメ マナブ   Manabu Kume
  久米 学
   所属   石巻専修大学  理工学部
   職種   准教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2023/06/01
形態種別 研究論文(学術雑誌)
査読 査読あり
標題 福岡県柳川市の掘割におけるニホンウナギの生息状況
執筆形態 未選択
掲載誌名 水生動物
出版社・発行元 アクオス研究所
巻・号・頁 2023,AA2023-11頁
著者・共著者 田嶋 宏隆,久米 学,小川 真由,渡邊 俊,内山 里美,内山 耕蔵,大坪 鉄治,古賀 春美,亀井 裕介,三田村 啓理
概要 ニホンウナギ Anguilla japonica はかつて日本全国で豊富に漁獲された。しかし、現在は個体数が激減している。福岡県柳川市の掘割も本種の個体数が減少した場所の一つである。これは、水門の改修に伴い、シラスウナギの川から掘割内への侵入個体が激減したことが要因であると考えられている。現在、地元の高校やNPO法人により掘割へのニホンウナギの放流活動が行われている。しかしながら、野生個体または放流個体が掘割内に定着しているかは明らかになっていない。そこで本研究では、現在、福岡県柳川市の掘割にニホンウナギが生息しているかを明らかにするため、電気ショッカーを用いて本種の採集を試みた。その結果、5回の調査(2021年10月、2022年2月・3月・11月、2023年2月)において、合計47個体のニホンウナギを採集した。採集した個体が放流個体か天然個体かは判断することができなかった。採集された個体の全長は122–623 mmの範囲であった。47個体のうち2個体の銀ウナギが2022年11月の調査時に採集され、残りの45個体は黄ウナギですべての調査時に採集された。砂泥中からは139 mmから558 mmまで様々な全長の個体が採集された。中・大礫から採集された個体に比べ、巨礫や石垣から採集された個体の全長は大きい傾向があった。調査月の違いやウナギの全長に関わりなく本種を採集できたことから、掘割はニホンウナギが生息・成長するための環境を少なからず備えていると推測した。