オクノ マサコ   Masako Okuno
  奥野 雅子
   所属   石巻専修大学  人間学部
   職種   教授
研究期間 2020/04/01~2024/03/31
研究課題 スピリチュアルケアにおける心理臨床家と仏教者の役割の重なりと差異に関する研究
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 基盤研究(C)
研究機関 岩手大学
研究者・共同研究者 奥野 雅子
概要 スピリチュアルケアとは、生きる意味や目的について苦悩している人々に対するケアである。本研究では、宗教の中で特に仏教に着目し、スピリチュアルケアにおいて心理臨床家と仏教者の支援に対する役割について、その重なりと差異について明確にすることをふまえ、心理臨床家と仏教者の連携可能性についても検討することを目的としている。 心理臨床家は終末期や緩和ケアの現場で支援を行っているため、生きる意味や目的に対するケアである「スピリチュアルケア」に着目する必要がある。これまで、スピリチュアルケアは宗教家が行うこととされてきた経緯があり、さらに、心理の知識とトレーニングを積んだ臨床宗教師という資格が認定され、宗教の布教ではなく公的な場所において宗教者による支援も行われるようになっている。しかし、実際の病院臨床では、心理臨床家がスピリチュアルケア担当していることが多く、医師や看護師などの他の専門家との連携を行っている。よって、心理臨床家の立場から、スピリチュアルケアの実践をシステミックな視点から理論的な検討を行い、学会発表と論文執筆を行った。そこでは、スピリチュアルケアにおける心理臨床家のアイデンティティや多職種連携のあり方について提言することができた。 さらに、心理臨床家によるスピリチュアルケアの実践についての試案を、心理学と宗教の両側面から理論的に検討を行い学会発表と論文執筆を行った。そこでは、スピリチュアルケアにおける心理臨床家の貢献可能性について、3つの視点を提示することができた。一つ目は、患者をめぐる「関係性」に介入すること、二つ目は、構成概念の理解を宗教的立場から深化させること、三つ目は、「より以上のもの」に対して心理学的なアプローチができることである。
PermalinkURL https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K03455